劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢』の英語吹替版のセリフを見て、日本語との違いを味わいながら、楽しく英語学習をしていきます。
「焦りこそ最大のトラップだったな、松田」は英語で?
今回のセリフはこちら。
安室: 一刻も早く解除して 風見と合流しなくては 次は たしか これを… おっと 危ない 危ない フウ… こいつが光ったらアウトだ 焦りこそ最大のトラップだったな 松田
はい!めっちゃいいシーンです!
観覧車の上で拳を交わした安室さんと赤井さんが、コナンと合流してから、安室さんは消火栓に仕掛けられた爆弾の解除に取り掛かります。
このシーンの前にも、安室さんはコナンとの会話で、松田さんの存在がほのめかされるわけですが…
安室: 警察学校時代の友人にいろいろ教えられたんだよ のちに爆発物処理班のエースとなった男に まあ 結局 そいつは観覧車に仕掛けられた爆弾の解体中に爆死したんだけどね
このセリフを映画館で聞いた私も、
(おや?おやおや…?これは松田さんでは…!?)
と期待も高まり、からの、ここのシーンです!
来ました!松田さん!!
今でこそ、『警察学校編』や『ハロウィンの花嫁』で有名キャラクターになった松田さんですが、当時はそこまで有名ではなかったのではないでしょうか。
松田さんの初登場回と言えば「揺れる警視庁 1200万人の人質」ですが、私はこの話がめちゃくちゃ大好きで、松田さんも大好きでした。
しかも!
コナン原作者の青山剛昌先生が自ら原画を手掛ける、いわゆる「青山原画」と呼ばれるシーンで、
それも合わさり映画館で非常に感動したのを覚えています。
金曜ロードショーではカットされがちなシーンであることも定番ですね。
いきなり松田さんが出てきても、コナン初見の方では分からないシーンですし、だからこそ、背景が分かった上で見るこのシーンは格別です。
さてさて。
英語吹替版のセリフはこちら。
Amuro: I’ve got to disarm them, and then go meet up with Kazami. The next step is… Oh, no! Man, that was a close one. Hope it doesn’t flash. Rushing is the greatest trap that there is. Right, Matsuda?
では、見ていきましょう。
英語の意味・表現・文法、日本語との比較
一刻も早く解除して風見と合流しなくては。次はたしかこれを…
I’ve got to disarm them, and then go meet up with Kazami. The next step is… 一刻も早く解除して風見と合流しなくては。次はたしかこれを…
have got to は have to と同じで、「〜しなければならない」です。
disarm : [他](信管や弾頭を取り除いて)〈爆弾など〉を安全にする; (爆弾・ミサイルなどから)〈爆薬〉を取り除く 参考 : ジーニアス英和辞典 第6版
disarm はここでは、爆弾などを安全にする、の意味です。
オリジナルの日本語は「解除する」ですが、爆弾を解除する、解体するということですね。
meet up : 〔人と〕落ち合う, 偶然[ばったり]出会う; 〈道路などが〉〔…と〕一緒になる〔with〕. 参考 : ジーニアス英和大辞典
meet up with … の形で、「〜と落ち合う」、「〜と偶然出会う」の二つの使い方があります。
ここでは「風見と合流する」ですから、約束をして合う、つまり「落ち合う」ですね。
「go and 動詞」の形で、「〜しに行く」の意味です。
「come and 動詞」の形で、「〜しに来る」もありますが、
いずれも and はしばしば省略されます。
おっと。危ない危ない。フウ…
Oh, no! Man, that was a close one. おっと。危ない危ない。フウ…
close : [形] 危うい、危機一髪の
close はもちろん「近い」なのですが、危険などが近い、つまり「危うい」ということですね。
That was close. 「危なかった」
はよく使われるフレーズです。
こいつが光ったらアウトだ
Hope it doesn’t flash. こいつが光ったらアウトだ
学校英語では、英語の主語は省略できないのは絶対のルールですが、実際の会話では、主語が明らかなときはしばしば省略されます。
ここでは I hope it doesn’t flash. ということですね。
flash は「ぴかっと光る」という動詞ですね。
こういう英文がサクッと作れるようになるとかっこいいです。
「こいつが光ったらアウトだ」を直訳しようとすると大変ですが、
ここでの英訳は、ニュアンスを損なわず自然な英語になっています。
I hope it doesn’t flash. のガチガチの直訳は、「私はそれが光らないことを願う」なので、
「光らないでほしい」ということですね。
焦りこそ最大のトラップだったな 松田
Rushing is the greatest trap that there is. Right, Matsuda? 焦りこそ最大のトラップだったな 松田
rush は動詞で「急いで行く」「急ぐ」です。
ing が付いて、動名詞の形ですね。
trap は「わな」です。元のセリフもカタカナで「トラップ」ですね。
the greatest trap で「最も大きなトラップ」すなわち「最大のトラップ」ですね。
ここの「最も大きな」「最大の」はもちろん物理的な大きさというよりは、程度、重要度の大きさということですね。
that there is がやや厄介ですね。
there is は普通、There is … の形で用いられますから、is の後ろに穴が空いている感じがします。
There is … には本来、the ~ は用いられませんが、いったん There is the greatest trap. と考えましょう。
「最大のトラップがある(存在する)」、ということですね。
the greatest trap が先行詞として前に出てくれば、the greatest trap that there is の形になります。
これで、「存在する最大のトラップ」の意味になります。
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