劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』英語吹き替え版のセリフを見ていきます。
英語の表現を見て、日本語と比較しながら、楽しく学習をしていきます。
「毛利小五郎のこととなるとキミは一生懸命だね」は英語で?
今回のセリフはこちら。
安室: 捜査会議の盗聴かな? コナン: なっ… なんでここが… 安室: 毛利小五郎のこととなると キミは一生懸命だね それとも… 蘭姉ちゃんのためかな?
中盤、コナンが風見刑事に仕掛けた盗聴器で警察の捜査会議を盗聴していましたが、
安室さんにバレてしまうシーンです。
映画の予告にも使われる、印象的なシーンですね。
英語吹き替え版のセリフはこちら。
Amuro: You’re wire tapping that meeting? Conan: Ah… How’d you know I was here? Amuro: When it comes to Kogoro Mori, you sure give it your all. Or maybe… This really has more to do with Ran?
それでは、詳しく見ていきましょう。
英語の意味・表現・文法、日本語との比較
捜査会議の盗聴かな?
Amuro: You’re wire tapping that meeting? 安室: 捜査会議の盗聴かな?
wire tap で一つの動詞です。
wire-tap とハイフンでつないでも良いです。
wire は、カタカナでワイヤーと言いますね。
もちろん「針金」の意味もありますが、
ここでは、「電信」「電報」といった意味の方が近いですね。
「電話線」の意味もあるので、ワイヤーがつながっているイメージが良いでしょうか。
tap も、カタカナでタップと言いますが、「盗聴器」のことです。
「〜に盗聴器を取りつける」「〜を盗聴する」のように動詞としても使います。
wire tap は、見た目通り、wire と tap が合わさっています。
これも、名詞なら「盗聴」「盗聴器」、動詞なら「(〜を)盗聴する」「(〜に)盗聴器を取りつける」のような意味になります。
ここでは、wire tap that meeting なので、that meeting を盗聴する、ですね。
日本語オリジナルでは「捜査会議」ですが、
英語吹き替えでは meeting だけですね。
wire tap のように、二つの単語がくっついた言葉は、名詞としても動詞としても使えることがあるなど、品詞が柔軟なことが多いです。
他に思い当たる例はありますか?
なっ… なんでここが…
Conan: How’d you know I was here? コナン: なっ… なんでここが…
How’d と省略されていますが、
How did you know 「どうしてわかったの?」と捉えて良いでしょう。
学校英語ではなかなか習わない省略の形ですが、
コナンくんも「ハウジュー」のように発音しています。
この発音が使いこなせるとカッコいいですね。
know の中身は I was here と、時制の一致が起きています。
毛利小五郎のこととなると キミは一生懸命だね それとも… 蘭姉ちゃんのためかな?
Amuro: When it comes to Kogoro Mori, you sure give it your all. Or maybe… This really has more to do with Ran? 安室: 毛利小五郎のこととなると キミは一生懸命だね それとも… 蘭姉ちゃんのためかな?
when it comes to … : 〜のことになれば、〜のこととなると
when it comes to … は決まり文句です。
ここでは、「毛利小五郎のこととなると」「毛利小五郎の話になれば」ということですね。
使い勝手の良い表現なので、ぜひ覚えたいですね。
when のかわりに if が使われることもあります。
you sure give it your all の部分ですが、
この位置に sure が入れられるようになると、英語ができる感じがしますよね。
この文の動詞は give ですから、sure は副詞ですね。
「確かに」「本当に」といった意味です。
give it your all は、直訳は it にあなたのすべてを与える、ですが、
「精一杯頑張る」「全力を尽くす」といったニュアンスですね。
Give it your all! のように単独で、励ましの言葉としても使えるようです。
日本語では「一生懸命」となっている部分です。
一生懸命と聞くと、do one’s best や try one’s best がパッと思い浮かびますが、
それ以外の表現として、ぜひ身につけたいものです。
This really has more to do with Ran?
の部分ですが、
have more to do with … という表現が使われています。
have something to do with … という表現がありますが、
「〜と関係がある」という意味です。
something の位置には、意味によって、
anything, nothing, much, little などいろいろ入りますが、
今回は more が入っています。
have more to do with Ran (than Kogoro Mori) と補って考えると、
「毛利小五郎より蘭と関係がある」、
したがって、「それとも、蘭姉ちゃんのためかな」という日本語になっているのですね。
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