はじめに
先週、金曜ロードショーで『サマーウォーズ』が放送されました(2017年8月18日)。
何度も見ている作品ですが、テレビで放送されていると、なぜか見たくなってしまうものです。
今回は、「よろしくお願いしまーす!」というセリフについて、 公式が特設サイトを作って、企画を用意していましたね。
『天空の城ラピュタ』の「バルス!」と同様、 テレビ放送のリアルタイムで一体感を共有できる瞬間です。
さて、今回は、主人公の健二が、 夏希に連れられて訳も分からずおばあちゃんに挨拶に行くシーンを取り上げます。
夏希が健二を「私のお婿さんになる人」と紹介し、 栄おばあちゃんが健二にその覚悟を問うセリフです。
栄:
この子はわがままで世間知らずだけど、
ちゃんと幸せにする自信はあるかい。
栄おばあちゃんのセリフは英語で?
これは英語では何というのでしょうか。
それでは見てみましょう。
Sakae: This great-granddaughter of mine is no pushover. Are you man enough to make my Natsuki happy?
英語らしい表現がいくつかありますね。
一つ一つ見ていきます。
この子はわがままで世間知らずだけど
This great-granddaughter of mine is no pushover. この私のひ孫娘は楽な人ではない。
great-granddaughter ひ孫娘
daughter が「娘」、 granddaughter が「孫娘」ですね。
mother が「母」、 grandmother が「祖母」、 great-grandmother が「曽祖母」です。
this great-granddaughter of mine は非常に英語らしい表現です。
「この私のひ孫娘」と言うとき、 英語では以下の表現はいずれもできません。
this my great-granddaughter my this great-granddaughter
a friend of mine という表現を知っていると、理解が楽ですね。
mine は「私のもの」ですが、 a friend of mine の “mine” は “my friends” の意味です。
「私の(複数いる)友達の中の一人」というニュアンスです。 a my friend や my a friend という言い方はできませんでしたね。
pushover [名詞] 簡単にできること
私にはなかなか聞き慣れない単語でした。
push over と2語にすると、動詞で「~を押し倒す」の意味になりますから、 そこから、「押し倒すことができるもの」→「簡単にできること」 というようにイメージをつなげていきたいです。
セリフでは、 no pushover ですから、 楽な相手ではない、 一筋縄ではいかない相手、 といったニュアンスでしょうか。
ちゃんと幸せにする自信はあるかい
Are you man enough to make my Natsuki happy?
まず、比較的やさしい make に目を通してしまいましょう。
この make は後ろが「主語・述語の関係」になっている、 第5文型(SVOC)の make です。
「my Natsuki が happy です」 という「主語・述語の関係」を make する、 つまり、「私の夏希を幸せにする」という意味になりますね。
問題は、 man の使い方でしょう。
通常、 man は可算名詞(数えられる名詞)ですので、 a man や the man のように、単数なら冠詞が付くはずですが、 今回は冠詞がありません。
ここでは、 「男」、「男らしい男」、「一人前の男」のような意味、 言い換えれば、strong や brave と同じ意味で、 形容詞的に用いられていると考えることができます。
不定詞の 「enough to ~」で、 「~するほど十分」という表現です。
一つ例文を出します。
She was kind enough to help me. 彼女は私を助けてくれるほど十分親切だった。 →彼女は親切にも私を助けてくれた。
man enough to make my Natsuki happy 「夏希を幸せにするほど十分男らしい(=度胸があるか)」
ということですね。
おわりに
今回のセリフは、なかなか難しい単語や表現がありました。
このセリフを通じて覚えておきたいですね。
以上です。 ありがとうございました。
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