漫画『名探偵コナン』第29巻「謎めいた乗客」で登場する英語のセリフの意味を見ていきます。
「女は秘密を着飾って美しくなるんだから」
この記事では、『名探偵コナン』のこちらのセリフを扱います。
It’s a big secret. I’m sorry, I can’t tell you… A secret makes a woman woman… (秘密よ秘密、残念だけど教えられないわ…女は秘密を着飾って美しくなるんだから…)
英語と日本語の両方とも、漫画からの引用です。
英語の文法や単語を確認しながら、日本語との違いを楽しみましょう。
誰のセリフ?ジョディ?ベルモット?
初登場時はFBI捜査官ジョディのセリフでしたが、
のちにベルモットの言葉を借りたものだということがわかります。
漫画の何巻?アニメの何話?
初登場は第29巻「謎めいた乗客」、
第42巻「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」で再登場します。
また、第34巻「迷宮のフーリガン」では、
コナンが「A secret makes a woman woman…」を
「秘密は女を女にする」と訳しています。
アニメの話数は以下の通りです。
- 第230話「謎めいた乗客(前編)」
- 第231話「謎めいた乗客(後編)」
- 第279話「迷宮のフーリガン(前編)」
- 第280話「迷宮のフーリガン(後編)」
- 第345話「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」
英語の読み方・発音
ネイティブの発音は、探してみましたが、残念ながら見つかりませんでした。
参考までに原作のカタカナ表記を掲載します。
It’s a big secret. I’m sorry, I can’t tell you… A secret makes a woman woman… イッツ ア ビッグ シークレット… アイム ソーリー アイ キャント テル ユー… ア シークレット メイクス ア ウーマン ウーマン…
woman は発音記号だと /wˈʊmən/ で、頭に「w」の音が入りますが、
カタカナ表記だと「ウーマン」になってしまいます。
英語の意味・文法
秘密よ秘密、残念だけど教えられないわ
It’s a big secret. I’m sorry, I can’t tell you…
a big secret は「大きな秘密」ですね。
I’m sorry と言ってから、I can’t tell you(教えられない)と続けます。
「教えられない」といきなり伝えるのはぶっきらぼうですね。
言いづらいことを言うときには「すみません」「残念ですが」「恐れながら」と、頭に「クッション言葉」を置くと、響きが柔らかくなりますね。
たとえば、「間違い電話ですよ」と伝えるときにも、
I’m sorry, you have the wrong number.
のように言うことがありますね。
女は秘密を着飾って美しくなるんだから
A secret makes a woman woman…
SVOCのmake
この make は第5文型(SVOC)をとります。
OとCは、「主語・述語の関係」になります。
直訳すると、「秘密が a woman を woman にする」ですね。
woman は「女性」ですから、「秘密が女性を女性にする」となります。
2つめの woman はなぜ a がない?
ここで気になるのが、「2つめの woman はなぜ a がないのか?」ということです。
少し難しい話になります。
これについてはネット上でも複数の見解があり、ネイティブスピーカーでも「これは文法的に誤りだ」と考える人も見られました。
ここではこれが英語として正しいとしたらこう考えられるだろうという、一つの意見を提示したいと思います。
woman を辞書で調べてみることにします。
woman
ジーニアス英和辞典第4版
[名] 1 [C] (成人した)女, 女性, 婦人 2 [無冠詞で;集合的に;man に対して] 女(というもの), 女性(womankind)
woman
Oxford Advanced Learner’s Dictionary seventh edition
[noun] 1 [C] an adult female human 2 [U] female humans in general
私たちが馴染みのある可算名詞(数えられる名詞)としての使い方と、
不可算名詞または無冠詞で使うものと、2つありますね。
また、このような例文もありました。
She’s all woman! (= has qualities that are typical of women)
Oxford Advanced Learner’s Dictionary seventh edition
a woman は単なる女性、数えられる女性、一人の女性です。
対して、冠詞のない woman は「女性らしい女性」といった感じでしょうか。
性別が女である、ということではなく、
女性としての性質や魅力を持っている、いかにも女性である女性を指して、woman と言っているのだと思います。
それを踏まえてセリフの意味を考えると、
「秘密が、一人の女性を女性らしくさせる」
「秘密を持つことが、一人の女性に、女性としての魅力を持たせる」(秘密を持つことで、一人の女性は、女性としての魅力を持つ)
といった感じでしょうか。
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