こんにちは。『君の名は。』を英語で見て楽しんでいます。
三葉「これって、これってもしかして…」 瀧「これって、もしかして本当に…」 三葉「私、夢の中であの男の子と…」 瀧「俺は、夢の中であの女と…」 三葉 & 瀧「「入れ替わってる!?」」
作品を象徴する名セリフです。
英語で何というのでしょうか。
『君の名は。』の「入れ替わってる!?」は英語で?
英語のセリフはこちら。
Mitsuha: Could this… Could this mean… Taki: No.. no.. no! Could this mean… that we’re really… Mitsuha: That we’re, in our dreams, that guy and I… Taki: That we’re, in our dreams, that girl and I… Mitsuha & Taki: we’re switching places?
日本語のセリフに合わせて英語が作られていて、セリフが細かく区切られていますね。
分かりやすくするために、文を作りましょう。
Could this mean that we’re switching places?
今回は、この文について見ていきます。
助動詞 could は「控えめな可能性」
まず、助動詞の could が使われているのが面白いですね。
現在のことなのに can ではなく、過去形の could が使われています。
なぜでしょう。
過去形は、単に時が「過去」だという意味だけでなく、この場合は「控えめ」を表します。
少し遠回しに、「もしかして」「ひょっとすると」ということですね。
can は「可能性」を表す助動詞ですので、could では控えめな可能性、より低い可能性を表しています。
これを機に英和辞典で can や could を一読しておきましょう。
辞書で助動詞の項目を読むことは、なかなか無い方もいると思います。
特に、学生の方はぜひやっておきましょう。
mean
mean : 〜を意味する
大事な単語です。
that節
mean の後の that は、that節の that です。
that は「ここから文のかたまりが始まりますよ」という目印ですね。
switch places「場所を交換する」
switch places で「場所を交換する」の意味です。
switch は「変える」「交換する」など。
スイッチをオンにする、オフするのスイッチです。
place は「場所」ですが、「立場」というニュアンスもありますね。
例えば、仮定法の文で、
If I were in your place, I wouldn’t do that.
「もし私があなたの立場だったら、そうはしないだろう」
のように使います。
ところで、ゲーム機の「Nintendo Switch」って、なんで「スイッチ」と言うのでしょうか。
調べたら、とてもわかりやすく説明してくださっている方がいらっしゃいました。
Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)の商品名の由来は、大きく2つあります。 一つは、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)そのものが物理的に形を『スイッチ(切り替える)する』ことに由来します。 もう一つは、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)が物理的に形を切り替えることで、ゲームをプレイする生活様式(ゲームのプレイスタイル)に革新的な『転換』をもたらすという想いに込められています。 Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)の語源・由来・意味 | 語源由来図書館
なるほど、確かに、電源のスイッチもオンとオフを「切り替える」ものです。
Nintendo Switchも、テレビで遊ぶスタイルと持ち運ぶスタイルを行ったり来たりできますね。
より詳しくご覧になりたい方は、上記の記事をご確認ください。
really と in our dreams
Could this mean that we’re switching places?
という文で見てきました。
抜かした表現を確認していきましょう。
really : 実に、本当に
in our dreams「夢の中で」
“that guy and I”と”that girl and I”
三葉のセリフに“that guy and I”、瀧のセリフに”that girl and I”とあります。
三葉は、瀧を指して that guy と言っています。
guy は特に若い男を指す言葉です。
瀧は、三葉を指して that girl と言っています。
元の日本語のセリフは「あの女」ですが、英語は woman ではありませんね。
年齢を考えると、girl という単語が使われるのが自然ですね。
元の日本語の語順に合わせた翻訳
今回のセリフに、翻訳の面白いところが現れています。
英語と日本語を並べてみると、元の日本語の語順に合わせて翻訳が作られているのが分かります。
Mitsuha: Could this… Could this mean… 三葉「これって、これってもしかして…」 Taki: No.. no.. no! Could this mean… that we’re really… 瀧「これって、もしかして本当に…」 Mitsuha: That we’re, in our dreams, that guy and I… 三葉「私、夢の中であの男の子と…」 Taki: That we’re, in our dreams, that girl and I… 瀧「俺は、夢の中であの女と…」 Mitsuha & Taki: we’re switching places? 三葉 & 瀧「「入れ替わってる!?」」
例えば、
Could this mean that we’re switching places in our dreams?
という語順でも良いわけですし、むしろ英語としてはこの語順の方が自然と言えます。
しかし、実際のセリフでは、in our dreams を「夢の中で」というセリフに合わせて、「入れ替わってる」を表す switching places を最後に持ってきています。
語順を変えることにより、日本語と同じ「焦り」や「緊張感」が伝わってきます。
作品を象徴するセリフですから、非常に丁寧に翻訳されたのだと思います。
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